イチテンゴ | たのしい器

イチテンゴ 山本やすみのブログです。

どや顔の理由。

 

 

今回の器の話です。

 

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トラやで、って感じ。

 

 

 

先月、窯の様子がおかしくなりました。

 

窯の温度が最後まで上がらず本焼きの焼成が出来なくなったのです。

 

陶器は、焼成が途中で終わると完成しません。


窯が使えなくなると、もう、どうしようもないのです。

 

 

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窯の「オルノン氏」が機嫌よく動かないので、コーヒーとお饅頭をお供えしてみた写真。頑張れば、ワインだ!といったけどオルノン氏は復活せず、、。

 

 

窯の中には、クリスマスや来年の干支のトラのお皿、その他お店の方とお約束していたものが沢山入っていました。

 

器が完成するまでには、結構手間がかかります。

粘土から、形を作って様子を見ながら乾燥させ、削ったり整えたりして、最初の焼成の素焼きを終えてから、、試行錯誤をして絵付けをして、、それから釉薬をかけ、本焼きをします。

その間に失敗したり、嫌になってやめたり、また作業を続けて、、を繰り返し繰り返し…。

 

私の窯は小さいし、窯に入れる器の数は少ないけれど、それでも本焼の焼成が終わるときには、かなりヘトヘトになります。


焼成に失敗すると今まで作業のすべてが消えてしまうので窯出しをするときにはいつも不安でいっぱいになります。

 

それが、、。

 

今回は温度が上がらず、窯出しをする前から失敗が目に見えている、、、。

そして、窯の故障という現実を直視せざるを得ない、、、。という状況でした。

 

二日くらいパニックになってコタツに籠っていましたが、いつもなら一人で考え込んで暗く落ち込むところ、幸いなことに、「どうしてよいかわからない、、」と話せる場面があって、皆に励まされ、アドバイスを受けることかできて前向きに解決することができました。本当に感謝!皆さん!ありがとう!

 

更に幸いなことに、今回の窯の釉薬は焼き直しにも耐えられるものだったので、アドバイスを受けて急遽、窯を借り(それも運よく借りられた!)、焼成途中で終わった器を無事完成させることができました。もう、泣きそうでした。実際、泣いた。

 

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クリスマスの豆皿。よく頑張ったぞ!君たち!

そんな、訳でいつもよりも紆余曲折を乗り越えて完成しました☆

いろんな方に助けられて、支えてもらって、本当に運よく完成した器達。

 

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雪降る夜の豆皿。きれいな夜になってよかった!感謝ですっ!

 

 

 

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どやってます!!


自分で描いたトラだけど、なんだか、どや顔してる感が強くなってる気がします。

 

 

 

ちょっと、ラッキーな器になったかもしれません。

 

 

 

 

今回の器は、西宮阪急の和食器売り場、それから住吉俱楽部様にも発送させていただく予定です。

 

このラッキーが器を通じてお使いになる方に伝わるといいな、と思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

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最後までラッキーだったー!ホンマにみんなありがとー!どやさ!って感じに見える
(完全に主観です)



 

その後、窯の「オルノン氏」も無事に修理をしていただきました!