いつもイチテンゴの器をご使用いただきありがとうございます。
陶磁器であるイチテンゴの器についてお伝えしたいこと、ご注意いただきたいことがあります。読むのがちょっと面倒かもしれませんが、ぜひ知っておいていただきたいことです。
最初にお伝えしたいことは、「陶器は割れ物である」ということです。そして、イチテンゴのような手作りの器は、服で例えると、木綿ではなく、シルクや、ウールといった素材に似ています。少しお取り扱いに注意していただきたい点がもあります。
でも、どんなに大切にしていても、本当に些細なことで、思わぬ割れ方をすることもあります。今回はそれらを少しでも避けていただくための注意事項などをお伝えいたします。
◎食洗器、電子レンジについて
一番多いご質問です。食洗器も電子レンジも、器にとっては優しい環境ではありません。食洗器が危険な理由の一つに熱湯で強い水圧で洗われること。洗浄の間の振動で器同士などとぶつかり合って、ヒビの原因になることがあるからです。もし、何もないように見えても陶器には傷があることがあり、それが振動によって大きくなることもあります。
電子レンジは、大丈夫な場合が多いのですが、器が大変高温になること、もし、生地の中に水分をたくさん含んでいる(長間水につけてあったなど)の時は、生地中の水分が沸騰し割れる原因になることがあります。もし、これらをご承知の上でレンジをお使いになられるときでも3分以上のご使用はお控え下さい。
いずれも直接ではなくても器の劣化の原因となります。ご承知おきください。
◎ 急な温度の変化
陶磁器は丈夫なイメージですが、実は急な温度変化にはあまり強くありません。まれに、器がとても冷たい状態で熱湯を注いだ場合など急な温度変化で器が割れることがあります。また、なにかのきっかけでついてしまった傷が、熱で広がってしまうことも考えられます。もし、傷を発見したり、音がいつもと違う場合にはご使用をお控えください。
◎ 貫入
貫入は、器によくできる現象です。
一見,ヒビが入っているように見えますが、これは陶土(粘土、陶器の母体です)と釉の収縮の違いによってできるものです。窯から出したときや、経年貫入と言って、使っていくうちに現れることもあります。
本体に亀裂が入っているわけではございません。
これは、その時々の窯の具合いや、釉薬の濃度などにより、その見え方は違いますが多くの器にあります。
イチテンゴの器は白く細かな粘土を使っているので、磁器のように見えますが、陶器なので貫入を完全に避けることは難しいのです。
貫入による汚れの対策としては、色の濃いコーヒーなどを入れる前に、器を水でぬらす(先に貫入に水を含ませておく)、あまり長い間コーヒーなどを入れておかない、すぐに洗うなどです。それでも、やはり完全に避けることはできません。
もし、どうしても気になるようであれば漂白剤などを表示に従ってご使用いただくと落とすことはできます。
勝手なことを申すようですが、貫入も陶器の個性の一つとしてご理解いただけるとありがたいです。
◎ 汚れ
白い器は特に、コーヒーや茶渋などが付きやすいです。その場合は中性洗剤で洗う、メラミンスポンジ(これがお勧めです)でこすり洗いをしてください。
スチールたわしはおつかいにならないでください。器の傷や黒ずみの原因になります。
◎ 底について
器の底がもしざらついている場合は、紙やすりなどでこするか、器の底同士でこするときれいになります。手で触って大丈夫でも、引きずると、ガラステーブルなど傷がつくことがあります。ご注意ください。
◎ 金属について
金属のナイフやフォーク、スチールたわしは「メタルマーク」という黒い汚れがついてしまいます。これは、なかなか落ちません。ご注意ください。
◎ 豆知識
器には形によって弱いポイントがあります。
カップなどの円柱のものは横からの衝撃に弱いです。また、重ねて口で支える形のものもたくさん重なると重みで口物元が割れます。お茶碗なども横からの力に弱いです。
お皿は上からの力に弱いです。もし、器を重ねる場合や、お引越しの時などでも役に立つかもしれません。
◎その他
私の器は釉薬の特性上まれに気泡や気泡の跡があります。また、生地の成分や製作の途中で避けられない跡もございます。ご了承ください。
最後までお読みくださった方の中には、使うのめっちゃ気ぃ使うやん。と思われ方も多いと思います。私も、書いていてそう思いました。
でも、器は日常使いのものです。食洗器もレンジもお使いになると思います。熱いお茶も入れます。ただ、こういう性質のものなのだな、ということを少し知っておいていただきたいと思い長々と書きました。
実は私も、器に過酷な使い方をしています。そして割ることも多いです。
そんな時は「ごめんよ」といってから「私に憑いた悪いものが割れてくれた。ありがとう」と思うようにしています。そして器を作るときも、「皆様の楽しい時間のお役に立ちますように。壊れるときは使う方の悪いものも一緒に壊れますように」と思っています。
どうぞ、楽しく、ご愛用頂けますことを願っています。
もし、ご質問などございましたらichitengo15-ichitengo☆yahoo.co.jp(☆を@マークに変えてください)
までご連絡ください。
最後まで読んでくださってありがとうございました。